「ある秘密」クロード・ミレール
ドイツのユダヤ人が自らの出自を隠すために身につけたレニ・リーフェンシュタール的な、つまり非ユダヤ的な「健全な身体」が呼び起こした悲劇と言えるだろう。この映画の成功は華奢で小さく色の白いリュディヴィーヌ・サニエと日に焼けた頑強な体躯を持つセシル・ドゥ・フランスをひとつのフレームに収めたということに尽きる。ユダヤ的なユダヤ人が駆逐され、ゲルマン的なユダヤ人が生き延びるという入れ子構造は事の本質に迫っているのではないだろうか。
父親を演じたパトリック・ブリュエルは、どこかで名前聞いたことあると思ったら、90年代にシャンソンの名曲カバー集を出してバカ売れした「フランスの徳永英明」でした。当時、ドフランス系にはこっぴどくディスられていたが、思いの外いい役者だった。モテそうな伊達男でムカついたが。
「三重スパイ」エリック・ロメール
ロメールの遺作をようやくみることができたと思ったら、眠い眠い(笑)。大戦間のパリにおけるロシア元将校とその妻のおしゃべりでほぼ成り立ってるんだけど、早々に眠ってしまってついて行けなくなりました。また見ますが、白壁バックの絵づくりがなんだかゴダールっぽくてそれが不穏でした。
「刑事ベラミー」クロード・シャブロル
実はシャブロルって「いとこ同士」からつまらなかったことがなくて(多作だから半分くらいしか見てないけど)、かかってれば間違いなく見に行く監督の1人でした。でも、ものすごい好きかって聞かれるとそれほどでもない感じの代表なんだよなぁ。これも面白いんだけど変な映画で、ドパルデューが有名な敏腕刑事っていう設定なんだけど全然見えないし、ドパルデューの義理の弟の危なっかしさとか依頼人の整形男とか薄口のイザベル・ユペールみたいな奥さんといい、役者がみんなめちゃくちゃいい味出してるんだけど、何かそのよさが全然本筋と関係ないのよね。逆にそれがまたよくて。そもそも本筋も「十字路の夜」みたいなものでわかるようなわからないような話なんだけど、登場人物のカルマフルな面構え見てるだけで本当に面白いの。シャブロルみたいな監督が増えるってことが映画にとっては幸せなんじゃないかなと思ったのよね。
ちなみにイメージフォーラムでは引き続きカサヴェテスのレトロスペクティブが始まりますね。スクリーンで未見だった「チャイニーズ・ブッキー」などを見に行こうと思ってます。今週末にはアレンの「ミッドナイト・イン・パリ」とアルモドバルの「私の,生きる肌」が始まるよ。久しぶりのバンデラス主演だわ。ムフーッ!
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