2012年1月10日火曜日

日本立て

「女めくら物語」 島耕二
16のときに病気で視力を失い、荒木町の置屋で按摩として身を立てた若尾文子のラブストーリー。置屋の主人で若尾の師匠に中村雁治郎。置屋に転がり込んでくる目明きのズベ公に渚まゆみ。こいつが若尾とは対照的な自己中心的な女性を痛快なくらい遠慮なく演じていて非常に腹立たしいw。置屋の居間で按摩さんたちがこたつに入ってくつろいでいるところで、雑誌に飽いた渚が突如ラジオを大音量でかけてゴーゴーを踊り出すところとかすさまじかったです。主軸になっている若尾とビジネスに失敗して難儀している宇津井健とのメロドラマとかどうでもいいんだけど、運命に翻弄される女という成瀬的な側面に非常に惹かれました。メロドラマの象徴的な舞台となる石段のセットがこれまた素晴らしかった。置屋はオープンセットだったと思うけど、こっちも魅力的な空間になっていました。こんな面白い映画のタイトルすら聞いたことがなかったなんてアンテナ低いですね。

「幕末太陽傳」 川島雄三
デジタルリマスタープリントということできれいだったんですが、そんなに騒ぐほどの名作か? と思ってしまったのは「女めくら物語」の後だったからでしょうか。落語「居残り佐平次」の翻案ですが、お調子者で機転の利く佐平次が肺病やみという設定がちょっとくらい影を落としていて、その第一印象とは異なって底抜けに楽しい映画になることを阻止してます。そこが引っかかりつつも魅力的な映画でしたね。石原裕次郎って若い時から本当に大根というか情緒を欠いた人だったんだな。

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