2012年1月28日土曜日

なぜサイレントは3Dよりもつまらないか?

なぜかくもサイレント映画にアクセスする機会が奪われているのかと考えるが、それはあまり意味のある考察にはなりそうにない。ただ単にそれは私たちが3Dの方がサイレントよりも面白いと感じているからだ。言い換えれば情報の「量」だけを志向しているからだ。

だが、ひとつ注目したいのは提示されている情報「量」と私たちが享受できる情報「量」の間に相関関係はないということだ。チャーハン特盛りを頼んでも一口しか食べないで残してしまえば、半チャーハンを完食した人よりもいただいた「量」は少ない。それは畢竟、食べ手の食欲や胃袋の大きさの問題になってしまうのだ。それをリテラシーとパラフレーズしてもあながち間違いではないだろう。

ぼくは「量」を志向する性向は別に悪くないんじゃないかと思っている。ぼく自身も「量」に対して貪欲なところがある。ただそれは目の前に出された料理の量じゃなくて、自分がおいしくいただける最大「量」のことだ。

「できるだけたくさん、おいしく食べたい」と言うとき、たくさんは絶対量ではなく、あくまでその人個人の受容可能量に依存する。そして、おいしく食べたいと考えたときに初めて「質」(これも個人の嗜好に依存する)への要求が生まれる。本来ならそこがスタートラインになるんじゃないのかね。

生まれてから一度も豚肉を口にしたことがないというイスラム教徒が、あるレストランで「何だ!この料理には豚肉が入ってるじゃないか!」と怒るというジョークがあるけど、まあ食ったことがないものは食ってみるのが面白いんじゃないかということで。

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