2013年4月4日木曜日

俺、毎日映画見てるし。iPadで。


★番外編(iPadで鑑賞)
「レボリューショナリー・ロード」サム・メンデス
すげー気になってたんだけど「タイタニック」のあの二人が再び!みたいなフレコミがアホくさくてスルーしてしまっていたのだった。鈍いね。遠いね。ハリウッド版「お茶漬けの味」って言ったらいいかな。

アメリカのミドルクラスの閉塞感っていうのは日本なんか比じゃないほど外圧が強そうでツラい。いきなり「パリ」って言っちゃう気分も分からなくはない。でもパリっていいだしたところで、ひょっとしたらパリに引っ越して「自分」も見つかって家族が楽しく暮らすっていうオプションもあるわけじゃないですか。そっちですよね。僕なんかはそっちのイメージに引っぱられすぎて、アメリカで続く現実がもうあんまり入ってこないわけですよ。パリの話にしてもよかったんじゃねえの?ってそればっかり気になって。

困るとシルシツキを登場させて「本当のこと」を言わせるっていうのは手法としてはちょっと安直だよな。不動産屋のキャシー・ベイツと数学者の息子とかああいうのも含めてアメリカの症候なわけだけど。だれかパリバージョン作ってくれよ、と思ったけど、ひょっとしたらウッディ・アレンの仕事っていうのはトータルで考えた時にそういうことなのかもしれないね。


「ミスト」フランク・ダラボン
スーパーマーケットといえばロメロの「ゾンビ」なわけですが、そういうところをきちんと分かってやってるのがいいですね。スティーブン・キング + フランク・ダラボンと言えば「ショーシャンク」「グリーンマイル」の非ホラー路線だったわけですが、キングの本懐であるホラーで初めてその歯車が噛み合ったという気がします。まあ次々に人が死んでいくわけですが、そこには映画の文法であったり、観客が納得できるだけのエクスキューズがあったりしてうまくできてるなあと感心してました。でも最終的には、そういう因果律=「悪いことをしたから死ぬ」「軽率なことをしたから死ぬ」「弱いから死ぬ」が見事に崩壊していく。観客はその試練に耐えられるかっていうことなんですね。僕は耐えられなかったというか、彼らの死にあまりに説得力がなかったと感じたんです。最後は「すげえがんばったけど、もう無理」という設定でしたが、いやいや無理じゃないよ。粘ろうよ。勝負はこっからだよ。と思って見てたものですから、あの引き際にはちょっとがっかりでした。それにしても面白かった。最初に出てったおばさんが生き残ってたり、あんなワンカット(ほんの一瞬)でザワザワさせるのもうまいなと思いました。


「それでも恋するバルセロナ」ウッディ・アレン
iPadで寝ながら見るのがすごい楽しくなってきた。アレンがバルセロナを舞台にハビエル・バルデム、スカヨハ、ペネロペ・クルスで撮ったラブコメです。96分でこれだけ濃ゆいものがつくれるってことを若い監督は心して見ろよ。まあでも真似できない名人芸なのかもしれんね。ある程度の人には少なくとも目指してほしい境地ではあるけど。相変わらずアレンはつまらない男やペダンチスト、アーティスト気取りに厳しい。でもホンモノの芸術家とフワフワしてる普通の人には寛容というか、愛のある描き方をしてあげてるよね。結局それって自分のことじゃんって思わなくもないけどw
この作品でちょっとざわざわしたのが、ヴィッキーの結構年行ったおばさんが不倫してるってとこでした。彼女がスペイン人みたいに開き直ってればいいんだけど、すごい自己保身に走るんだよね。ああいう方が男1人女2人で仲良く暮らすとかよりもよっぽどざわざわ来ちゃう。やっぱり最近のアレンはちょっと笑えない要素をちょいちょい放り込んでくるんだよね。そこもすごい好きなんだけど、老境に至ってファンタジーよりもリアリズムに走るっていう感性がすごいと思う。

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