本数大して見てないので意味ないんですけど、一応総括ということで。
■1位 「バッド・ルーテナント」ヴェルナー・ヘルツォーク
監督賞、作品賞ならびに主演男優賞という感じですね。突出した1本では決してないと思うんだけど結果的にそうなってしまいました。ニコラス・ケイジが腰痛持ちという時点でこの傑作は半分成功したようなものといってもいいでしょう。同じプロットでいいから「バッド・サージェント」も見たいですね。
■2位 「息もできない」ヤン・イクチュン
処女作っていうのは誰にとっても二度と撮れない一本で、作家は後先考えないでそこにすべてをぶちこもうとするもんだからたまにとんでもない傑作が生まれる。「勝手にしやがれ」も「大人は判ってくれない」も「獅子座」も「美しきセルジュ」も(そういえば去年はロメールとシャブロルを失った年でもあった)商業映画1本目特有の若さやみずみずしさ、一回性みたいなものがフィルムに刻み込まれている。(余談だが映画に限らず高橋源一郎の「さよならギャングたち」や小沢健二の「犬が吠えればキャラバンは進む」なんかにもそれを感じる、ジャンルは問わないんじゃないかと思う)「息もできない」はまさにそうした1本で、作家その人のそれまでの人生が凝縮して詰まっていると言えるような作品になっていると思う。僕はこういうものを撮ってしまった監督のその後にはあまり期待しない(笑)。気楽に撮ってほしいから。主人公の口癖である「シバラマ」は昨年の流行語大賞にも輝いた。
■3位 「エア・ベンダー」M・ナイト・シャマラン
シャマラン信者乙。というだけではなく、単に娯楽映画として、また男子の成長譚としてよくできてませんでしたか?ってあまり多くの人が見なかった映画でもありますが……。先日、飛行機の中でやっていたので再見したのですが、やっぱり面白かったですね。アンが土の民を扇動して蜂起するところなんか、小川紳介かガレルかっていうくらいで涙なくしては見られないでしょう。続編があと2本もあるというのが生き甲斐のひとつになってます。
■4位 「インビクタス」クリント・イーストウッド
いや、もう完璧な映画なんだけど、すでに次回作「ヒアアフター」が気になってしようがないので4位。ラグビー選手の次に霊能者ってすごくないか、マット・デイモン。
■5位 「アウトレイジ」北野武
痛い暴力映画作家として帰ってきた武にエールを送ります。武のキャスティングのうまさ(=日本のテレビタレントの使い方)っていうのも他の作家に学んでほしいところだと思う。
■6位 「ナイト&デイ」ジェームズ・マンゴールド
ザ・ハリウッド的な華やかさっていうのは、斯様に繊細な演出に支えられていなければならないという見本のような映画でした。年に1本でもこういう映画があるうちは僕たちはハリウッドを見続けるんだと思います。
■7位 「インセプション」クリストファー・ノーラン
鑑賞後のオルグを含め、映画体験として面白かったですね。ハズしてもいいので、作家も観客もこういう「アイデア勝負」みたいな映画に果敢に挑戦してほしいと思います。
■8位 「ベストキッド」ハラルド・ズワルド
ジャッキーと芸達者なガキに。次回作にも期待しつつ。
■9位 「十三人の刺客」三池崇史
今年は特に邦画はあんまり見てないんですけどね。これと松たか子が出てた「告白」くらい。
■10位 「アリス・イン・ワンダーランド」ティム・バートン
まあ、見てる映画の半分くらいは新作じゃないんで、去年公開に限定するとこういうのも入ってきますね。物足りない1本でした。
■番外 「メーヌ・オセアン」ジャック・ロジエ
この時代性を超越した映画が2000年代に不可能だという明確な理由は見あたらない。だから、こういう映画を撮る人がいないだけなんだと思う。現れてほしい。
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