2010年7月5日月曜日

「アウトレイジ」を見たのを思い出した

もう先々週のことだけど北野武「アウトレイジ」を見たのだった。

実に「BROTHER」以来何年ぶりだろうか。「この男」から5作くらいは映画館で夢中になってみてた。「3-4x10月」「あの夏一番静かな海」「ソナチネ」「キッズ・リターン」「HANA-BI」「菊次郎の夏」。ついて行ったのはここまでか……。その辺りから急速にお寒くなるのよね。金獅子賞を獲った「HANA-BI」を頂点に興行成績の落ち込みも僕の印象に比例してると思う。

でも初期は本当に良かった。ワクワク感があった。特に好きだったのは「あの夏」の真木蔵人。サーフボード持ってバスを追いかけるところとかメチャクチャ好きだった。真木蔵人が聾唖なんだけど、台詞がないのが所謂日本の「淡々系」と違って、すごく自然でわざとらしくなくてよかった。「キッズ・リターン」もよかった。これだけボクシングがちゃんと撮れれば、ハリウッドでもやっていけるかなってマジで思った。まあダメだったけど。

「アウトレイジ」でまず驚いたのは、車のドアを閉める音がやっとハリウッドに追いついたってこと。ながらくハリウッドをハリウッドたらしめていたものの1つに銃声と車のドアを閉める音があったと思う。それが徐々に来たのか、突如追いついたのか知らないけど、「バタム!」っていう音がハリウッドの重厚さになっていた。本当に安っぽいのにはうんざりだったし、技術的に何が難しいのか分からないし、サウンドトラックをそこだけコピペすればいいじゃないかくらい思ってたから、これはうれしかった。

銃声はもうひとつだった。音の厚みだけじゃなくて、金属音っぽい残響があるといいんですよ。銃器詳しくないんでものによって違うんでしょうが、ハリウッドの音って依然としてありますね。

あのたけしが帰ってきたっていうのとは違うし、そういうのはあんまり期待してなかったけど、いい感じで前に進んでると思う。たけしはやっぱりシリアスなバイオレンスがいいですよ。単純な構造だけど、シリアスにやるとお笑い部門が引き立つ。今回は残酷なバイオレンス描写と突き放したお笑いの描写のバランスが絶妙でしたね。この一作に全人生賭ける、とかじゃなくて、この作品ではこれをやる、みたいな感じで職人ぽくやったらいいと思いますよ。「アウトレイジ」なんてキャスティング替えたり(使う俳優の配役を替えるだけでも)、痛めつける手法を替えるとかだけでも十分面白い映画があと3本くらいは作れると思う。っていうかそういうのが見たい。色気出さないで同じこと何度でもやってほしい。

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