最近、宇多丸師匠のラジオ番組のポッドキャストを聞いています。
http://www.tbsradio.jp/utamaru/
といっても聞いているのはほぼ「ザ・シネマハスラー」というコーナーだけなんだけど、このクオリティーはすごい。毎週一本の映画批評を30分以上一人語り。日本のメディアでは最も過激で辛辣で、かつ正鵠を射ていて面白いことは間違いない。
歳にして僕の5つ上だから、映画好きだったら、いわゆる蓮實チルドレンだったと思うのね。言及される固有名詞からもなんとなくそういう背景は垣間見える。チルドレンっていったら失礼に当たるかも知れないけど、世代的に直接・間接の何らかの影響下にあったことだけは確かだと思う。もちろん、「卒業」後の自己研鑽をかなり積まれた様子で、それは視点と話芸の両方のレベルの高さからもうかがえる。小難しくも語れる、というかそっちの方が本人にとっては楽なんじゃないかとも思うけど、それをとても平易な言葉で表現する。だからといってその中身が平凡っていうわけじゃない。多分読み物にしても相当面白いはず。
色んな切り口を持ってる人だけど、彼が一番やり玉にあげていて、かつ共感できるのは、主にテレビ局・広告代理店を中心とした日本のメディアが作り出し、売り出してきた勘違い娯楽映画の最大の症候たる「げ」の感覚。
この「げ」っていうのは「面白げ」とか「雰囲気ありげ」とか「なんだかよさげ」という、表現手法の追求を放棄した姿勢を象徴するワード。僕の中ではずっと「っぽさ」って呼んでたものと同じだと思う。つまり、本当に「面白い」とか「格好いい」を目指すんじゃなくて、「○○ちゃん(俳優ね)使って、こんな感じの芝居させて、こんな音楽ならしとけばオッケーっしょ」的な安易さね。ちゃんと理詰めで考えれば、最低限のラインはクリアできるはずなんだけど、それすら投げ出してるっていう知性の欠如、すなわち情熱の欠如に対する徹底的な批判ね。これをメディアの内部から告発した人っていた?
まあだらしない作り手に矛先が向くっていうのはもっともな話ではあるんだけど、鋭い舌鋒が「げ」なものを楽しげに消費するOLにまで向かうというのもすごい。それも分かるんだけどね。観客の未熟さこそが作り手の怠慢を助長させるんだよ。僕も映画館で思うときありますよ。「おまえらこんなんで笑ってんじゃねえよ」って。それ言うってことは結局オーディエンスの9割を敵に回すっていうことなんだけどね。でも師匠にはその覚悟ができてる。
個人的に笑ったのは、なんかの映画にちらっと出てた三代目魚武を辻仁成と同じ種類の人間とさらっと評価したところ。これですべてを言い切っているのがすごい。「歯に衣着せぬ毒舌」なんていうのは馬鹿でもできて、メディア的にもそれを売りにしてるおばさんとかおかまには事欠かないわけだけど、色々分かってる上でそれでもあえて言うっていうところに感じる「覚悟」には本当に感心する。
覚悟っていうのは別に「干される」ことに対する心の準備だけじゃなくて、自身の培ってきた感性と批評眼に対する信頼を背景にした発言への責任感みたいなものだろうか。それでも結局干されてないってことが話芸の芸たる証なんだろう。とにかく、宇多丸師匠の「ザ・シネマハスラー」映画好きの方に限らず、オススメです!
http://www.tbsradio.jp/utamaru/
といっても聞いているのはほぼ「ザ・シネマハスラー」というコーナーだけなんだけど、このクオリティーはすごい。毎週一本の映画批評を30分以上一人語り。日本のメディアでは最も過激で辛辣で、かつ正鵠を射ていて面白いことは間違いない。
歳にして僕の5つ上だから、映画好きだったら、いわゆる蓮實チルドレンだったと思うのね。言及される固有名詞からもなんとなくそういう背景は垣間見える。チルドレンっていったら失礼に当たるかも知れないけど、世代的に直接・間接の何らかの影響下にあったことだけは確かだと思う。もちろん、「卒業」後の自己研鑽をかなり積まれた様子で、それは視点と話芸の両方のレベルの高さからもうかがえる。小難しくも語れる、というかそっちの方が本人にとっては楽なんじゃないかとも思うけど、それをとても平易な言葉で表現する。だからといってその中身が平凡っていうわけじゃない。多分読み物にしても相当面白いはず。
色んな切り口を持ってる人だけど、彼が一番やり玉にあげていて、かつ共感できるのは、主にテレビ局・広告代理店を中心とした日本のメディアが作り出し、売り出してきた勘違い娯楽映画の最大の症候たる「げ」の感覚。
この「げ」っていうのは「面白げ」とか「雰囲気ありげ」とか「なんだかよさげ」という、表現手法の追求を放棄した姿勢を象徴するワード。僕の中ではずっと「っぽさ」って呼んでたものと同じだと思う。つまり、本当に「面白い」とか「格好いい」を目指すんじゃなくて、「○○ちゃん(俳優ね)使って、こんな感じの芝居させて、こんな音楽ならしとけばオッケーっしょ」的な安易さね。ちゃんと理詰めで考えれば、最低限のラインはクリアできるはずなんだけど、それすら投げ出してるっていう知性の欠如、すなわち情熱の欠如に対する徹底的な批判ね。これをメディアの内部から告発した人っていた?
まあだらしない作り手に矛先が向くっていうのはもっともな話ではあるんだけど、鋭い舌鋒が「げ」なものを楽しげに消費するOLにまで向かうというのもすごい。それも分かるんだけどね。観客の未熟さこそが作り手の怠慢を助長させるんだよ。僕も映画館で思うときありますよ。「おまえらこんなんで笑ってんじゃねえよ」って。それ言うってことは結局オーディエンスの9割を敵に回すっていうことなんだけどね。でも師匠にはその覚悟ができてる。
個人的に笑ったのは、なんかの映画にちらっと出てた三代目魚武を辻仁成と同じ種類の人間とさらっと評価したところ。これですべてを言い切っているのがすごい。「歯に衣着せぬ毒舌」なんていうのは馬鹿でもできて、メディア的にもそれを売りにしてるおばさんとかおかまには事欠かないわけだけど、色々分かってる上でそれでもあえて言うっていうところに感じる「覚悟」には本当に感心する。
覚悟っていうのは別に「干される」ことに対する心の準備だけじゃなくて、自身の培ってきた感性と批評眼に対する信頼を背景にした発言への責任感みたいなものだろうか。それでも結局干されてないってことが話芸の芸たる証なんだろう。とにかく、宇多丸師匠の「ザ・シネマハスラー」映画好きの方に限らず、オススメです!
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