2014年7月15日火曜日

面白いおじさんが撮った普通の映画

「リアリティのダンス」アレハンドロ・ホドロフスキー
面白いおじさんが自由気ままに撮った普通の映画って感じでしたね。期待していたような超現実的描写や韜晦はまったくなく、それどころかこれ以上ないくらい明快で、そのあまりの明快さに鼻白むレベルです。父ちゃん、母ちゃん、ユダヤ系の出自、チリの政治をあられもない精神分析的な解釈を交えながら描写するってお前どれだけ天然なんだよって突っ込みたくなるのも無理ないですよね。そういうタブーというよりはド天然を元気よくやってるものだから、その元気のよさにやられちゃう人もいるんでしょう。ただ、あられもない自分語りをするんだったら、やはりその「自分」に素材としての強さがないと作品としては面白いものにはならないですよね。作家本人が面白いおじさんなのは「ホドロフスキーのDUNE」で証明済みなわけですが、こと映画作家としてどうかという話になると、あまりにも野心を欠いたただの癒されたいおじさんじゃないかと思えてしまうんです。カルトって言われるにはそれなりの理由があるんだなと得心しました。

「グランド・ブダペスト・ホテル」ウェス・アンダーソン
ウェス・アンダーソンと東欧・旧共産圏的な意匠の親和性の高さを冒頭からビンビン感じながら引き込まれていったんだけど、結果的にはアンダーソン作品のうちの1本という以上の感慨はなかった。ラデュレみたいなお菓子やさんのパッケージとかああいう仕事を抜かりなくやってるから日本の「文化的な」観客のウケもいいんだろうな。ところどころ寝ちゃったけど、抜け感のある「ムーンライズ・キングダム」の方が好きだった。

0 件のコメント:

コメントを投稿