2014年1月31日金曜日

新年のご挨拶にかえて

今年はサボらずに映画の感想等書きつけて参りたいと存じます。

年末年始に印象的だったものをいくつか。

「かぐや姫の物語」高畑勲
「風立ちぬ」が政治性を帯びてしまった人間の悲しみを描いた近代的な映画なら、「かぐや姫」は、この世に生を受けてしまった人間(女性)の悲しみを描いた、より根源的な問題を扱った映画ということができる。しかも、古典を「翻案」することなしに、完璧な作品にしてしまったわけだ。もちろん「風立ちぬ」のような、作家のメッセージや嗜好をベタに、メタにあふれさせてしまっているような作品には強く惹かれるんだけど、どっちがすごいかっていったらどうしたって「かぐや姫」ということになってしまう。どうしても宮崎を引き合いに出してしまう誘惑に勝てないけど、「かぐや姫」は「風立ちぬ」のような曲芸的なバランス感覚の上に成立しているような作品の対極にあって、タフネスと鋭さを備えて屹立しているように感じる。

「ゼロ・グラビティ」アルフォンソ・キュアロン
映画というよりはアトラクションとして新次元に達してたと思うが、この作品が「映画」としての体裁を保っているのは、宇宙空間でわずかに感じられる地球の重力のように「映画」の磁力がこの映画の物語に働きかけ続けていたからだろう。僕はそれを保守的とは思わないけど、映画であることにこだわらなくなったらどんなものになっていたのかというのはすごい気になる。「映画」もすごいところまできたなあ。

「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」ジム・ジャームッシュ
舞台が夜のデトロイトとタンジェだけっていうのがもうずるい。歴史を生きてきた吸血鬼たちが、人間とともにその終わりにいるっていう風景が悲しくも感動的だった。

「ブリング・リング」ソフィア・コッポラ
生粋のモノホンセレブたるソフィアが、にわかセレブワナビーに対してなぜかくも中途半端な態度を取らなければならないのか。それならわざわざこんなテーマで撮らなければいいのに。それとも本当にこんな虚飾には微塵の意味もないって思ってるのか。ソフィア、わりとどうでもよくなってきたかも。

「アイム・ソー・エキサイテッド」ペドロ・アルモドバル
ワンシチュエーションコメディっていう形こそとっているけど、なんというか深いところで悲しみと諦念を宿していてやりきれないんだよね。アルコールもドラッグもセックスもゼロで済んでる自分にはまだまだ「生きしろ」があるなと感じた。

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